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エイリアンズ


O先生は、元気だった。
まず声に張りが戻った。そして、昨年病気を患ってからは腹部が痛むためなのかいつも背中を丸めていたが、姿勢も以前と同じように戻った。

まずは淡々と自分の8ヶ月間の治療報告だけを述べた。その間に主治医を先生の一番弟子であるI先生に変更した旨も伝えたところ、「Iはとても勉強している」と語った。これは、以前わたしがM先生に主治医変更理由を問われた時に「先生からは得るものがない」と伝え、後日戻った時に「もしわからないことがあっても、その都度勉強してくださるなら、大丈夫」と言ったことを踏まえての発言なのだろう。

そして、先日腺腫を採ったと報告した時だった。「癒着が酷すぎて人工肛門になったよ」と言うので「膵癌かと思ったけど、意外と声が元気そうだなと思った」と本音を言ったところ、平然とストーマ装着器具のついたお腹を見せてくれた。これには「デビューなさったんですね!」としか返せなかった。昨年と同様に「みんなも死ぬと思ったんじゃない?」と笑いながら言うので、「また!(そんなこと言って)」とたしなめた。

心のオアシスY先生にも言ったが、大変なことには変わりはないが、取り敢えず今回は腸だけで済んでよかったというのが正直なところだ。その治療の勲章を患者に見せられる心の強さにも、医師としてよりも教育者としての凄みを感じた。二年連続、生死をさまよった人はやはり違うのかもしれない。

次も先生の外来予約が入った。大学病院の主治医I先生の検査結果を持っていくので、その外来の2回に1度の割合である。外来内容の名目は「面談」だが、「次も面談でいい?」とわざわざ訊ねたところから、戻ってくる?と遠まわしに聞かれているように感じたが、「はい」とだけ答えた。「11時半くらいにくる?」と言われて、また「はい」と答えた。こうする?ああする?どうする?と、患者の意思を一々確認してくれるところは、この先生の有難い特徴でもある。でも、頻繁に顔を合わせるとまた衝突して、身体を壊されても嫌なので、わたしにはたまに会うくらいがちょうどいいのかもしれない。

ここ数年は病院の経営で忙殺され、学会に参加できなくなったと嘆いていたが、最近は学会に参加できるようなので、現役医師として、これからも己の信念を曲げずに生きてほしい。そして、また弱音を吐くようなことがあれば、遠慮なくこちらも叱咤させていただく。これが自分の役回りなのだと観念した晩夏である。
[2017/08/29 00:45 ] | ひとりごと
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